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去年本格デビューした「つや姫」の2年目の飛躍を願う集いが昨夜、山形市で開かれました。
去年、猛暑が続いたにも関わらず1等米比率が98.1%と好スタートを切った「つや姫」。
昨夜、2年目の飛躍を願い「つや姫の集い」が開かれ、吉村知事は「つや姫で山形県、東北を日本を元気にしていこう」などとつや姫にかける期待を示しました。
県ではブランド名の浸透や高品質米づくりのためつや姫を全国にPRしてもらう「山形つや姫サポーター」と高い栽培技術を持つ「山形つや姫マイスター」を設けることになり、吉村知事から代表に委嘱状が手渡されました。山形つや姫サポーター、天童市・松伯亭あづま荘、高橋ゆき江女将「食べ物に携わる旅館業でありますので多くの人に来て頂いてぜひ、つや姫を提供できるようにもっていきたい」
今年、つや姫は去年より4000トン多い1万6000トンの生産を予定しています。
テレビユー山形より 6月7日

 平成10年。山形県鶴岡市の水田農業試験場でプロジェクトは立ち上がった。4年に待望の新品種はえぬきを世に送り出していた山形だが、米価の低迷も向かい風になり、「次」への模索が始まっていた。

 「はえぬきを山形に特化するため、種子を供給したのがわずか5県。この“囲い込み作戦”が、結果的に認知度を低下させたかもしれない」と、県産米ブランド戦略室長の武田一夫はいう。

 はえぬきは8月上旬に、コシヒカリは下旬に出穂(しゅっすい)期を迎える。県が狙ったのはその狭間(はざま)だった。水田農業試験場水田研究科長の結城和博は「中旬に出穂期を迎える稲を開発すれば、はえぬきと共存できる」と新品種の照準を絞った。

 “母方”に山形70号、“父方”には東北164号という良種が選ばれた。勾配と選別が繰り返され、4年後の14年に1つに絞り込んだ時には、サンプルは10万にものぼった。ほ場がある鶴岡市は14年に冷害、15年には潮風害に見舞われたが、つや姫はびくともしなかったという。

 実験的な作付けが続き、22年には商業ベースでの本格的な作付けが始まった。選ばれた農家は2500人(2500ヘクタール)。「トップクラスの農家の方々を選別した。失敗は絶対に許されなかった」(武田)
 寒河江市の農業、土屋喜久夫もそのひとり。土屋には実は強い思い入れがあった。地元の農協で水稲部会長をしていた16年、他品種の打診があった。「山形ですごい米ができるという話がある。もしできたら戻れなくなる。我慢しよう」。土屋は、その時を待った。
 米作りのプロを自任する土屋だが、妻は試験的にできた最初のお米に、「大きい粒で、いいできだね」と喜んだ。「やった、と思ったね」(土屋)
 そして今-。山形は今年、記録的な猛暑に見舞われ、農作物も大きな被害を受けた。水稲も1等米の比率を下げるなか、つ姫は98%という驚異的な数字をたたき出した。「暑さにも強い」。猛暑が逆に、つや姫の評価を上げた形になった。売れ行きも予約だけで半数以上が埋まるなど次々と常識を覆している。
 結城は、つや姫が持つ潜在能力の高さに驚く。「どんな天気になっても、自ら成長を急がないんです。コシヒカリは暑いと実りを早めますが、つや姫はスピードアップしない。猛暑にも強いとわかったのは、たまたまですが…」。ブランド力に背中を押され、急きょ作付面積を広げることが決まっている。
 米価引き下げやTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)など農業を取り巻く環境は厳しさを増す。つや姫は逆境を切り開く可能性も秘めている。=敬称略
 ■うまさの秘訣は「つや」
 水田農業試験場と慶應義塾大学先端生命科学研究所(鶴岡市)の共同研究によると、実際に炊いた130サンプル(28品種)の米を解析した結果、つや姫はコシヒカリに比べ、グルタミン酸やアスパラギン酸といった代謝物が多いことが判明した。
 試験場の後藤元(はじめ)研究員は「これら2つのアミノ酸は他の食品でもおいしさに関わっている例が報告されています」と話す。
 先端研の富田勝所長も「つや姫はうま味の成分が多く、嫌悪感を抱く成分が少ない、バランスの良さが明らかになった。すべての成分が多い品種はあったが、バランスの良さがつや姫のおいしさの秘密である可能性が高い」と太鼓判を押している。

「全国つや姫サミット」に参加した県外の自治体、農業団体関係者らを対象にした県産オリジナル水稲品種「つや姫」の圃場視察が26日、山形、寒河江両市で行われた。

約100人が参加。山形市の県農業総合研究センターでは、県の担当者が「つや姫」と「コシヒカリ」を並べて育成する圃場を案内し、草丈が短く倒伏しにくい「つや姫」の品種特性などを紹介した。その後、寒河江市の土屋喜久夫さん(58)、山形市の伊藤徹雄さん(60)の圃場をそれぞれ回った参加者は「収量はどの程度か」「肥料の種類は?」などと質問し、生育具合を観察していた。

サミットは、今秋デビュー2年目を迎える「つや姫」を県外産地に広くアピールするため、山形つや姫ブランド化戦略推進本部(本部長・吉村美栄子知事)が初めて開催。初日の25日は山形市内で意見交換会を開き、本県の他23道府県から合わせて約200人が参加した。
2011年08月27日 山形新聞

初のサミットに23道府県200人
もうすぐデビュー2年目の秋を迎える県産米「つや姫」に県外からの注目が高まっている。大分、宮城両県では、既に作付けを開始しているほか、現在、試験栽培に取り組んでいる地域は32府県に上り、今年度中に、奨励品種への指定を目指す県もある。山形市内では25日、「全国つや姫サミット」が初めて開催され、23道府県から県職員やJA関係者ら約200人が集まった。

今年2月に認定品種に指定した大分県では、200ヘクタールの作付けを予定していたが、100ヘクタールにとどまった。品質が高い米が育つ中山間地域に生産地を限定した上、山形県と同じ生産者認定制度を導入したためだ。JAを通じた一元的な集荷、販売を行う予定で、大分県農林水産部の小山裕司さんは、「トップブランド米として扱い、高価格で販売したい」と意欲を見せる。

宮城県でも、30アール以上の作付面積の農家に生産を限定。販売は山形県内のJAと連携して価格を設定し、市場評価を高めたい考えだ。今年の作付面積は約335ヘクタール、2015年には約3000ヘクタールを見込んでいる。

両県とも、「つや姫」を特別栽培米として育て、品質管理を徹底。山形県がブランド維持のため、種もみの生産を許可する際に条件として提示しているためだ。

それでも、県県産米ブランド推進課の武田一夫課長は、「生産地が増え、生産量が増えると、目が届かない分、品質の維持は難しくなる。価格の動向も注視する必要がある」と、課題を説明する。

同課によると、現在、32府県で試験栽培が行われ、複数の県が今年度中に奨励品種に指定する意向を示している。

島根県では、10年度から試験栽培を始め、3年計画で奨励品種にするか決める予定だったが、1年早めて今年度中に決定することにした。夏の高温で主力品種「コシヒカリ」の品質低下が目立ち、生産者団体から「『つや姫』を奨励品種に早く決めてほしい」と要請されていたためだ。

一方、長崎県は、試験栽培3年目。すでに今年度産の収穫を終え、担当者は、「今年の結果次第で、奨励品種として指定したい」と前向きに答えた。

この日の会議では、冒頭で吉村知事が、「ブランド定着のため『つや姫』の全国拡大を推進する」と宣言。山形、大分、宮城3県が栽培状況を報告した。今後、増加が予想される産地間での競争や連携についても議論された。

参加した熊本県主要農作物改良協会の坂野裕文事務局長は、「熊本でも高温に強い米を開発したが、食味は今ひとつ。新しい米を開発するまでの期間に、『つや姫』を採用する可能性もある」と話していた。

(2011年8月26日 読売新聞)

県産水稲品種「つや姫」のPR役を担う、2代目の「つや姫レディ」6人が24日、県庁で吉村美栄子知事と面会し、認知度アップに向けた意気込みを披露した。
6人は石川阿沙恵さん(21)=中山町、金沢優子さん(21)=山形市、草間静香さん(23)=同、鈴木郁美さん(24)=同、芳賀美咲さん(24)=寒河江市、古瀬理歩さん(20)=東根市。「つや姫」カラーの薄緑色を基調にしたスーツ姿で県庁を訪問し「『つや姫』のおいしさ、山形の素晴らしさを全国にアピールします」「食べた人に感動と元気を与えたい」などと抱負を語った。吉村知事は「デビュー2年目を迎え、ブランド定着に向けた大事な年になる。一緒に頑張りましょう」とエールを送り、一人一人と名刺交換した。
6人は県の緊急雇用創出特別基金を活用した山形市内の広告代理店の職員として雇用され、来年3月末まで活動する。県内イベント、全国各地の百貨店でのキャンペーンなどに当たる。
2011年08月24日 20:15 山形新聞より

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